猫が食べてはいけないもの
猫が食べてはいけないもの(食物・飲料・植物など)は身の回りに意外とたくさんあります。
猫が食べてはいけないものの中には、猫が死に至るものが多数存在しています。
万が一が無いように、猫が食べてはいけないものにどんな物があるか飼い主さんはきちんと知っておかなければいけません。
ここでは猫が食べてはいけないものを、紹介していきたいと思います。
※ここで紹介した以外にもまだまだ多数、猫が食べたらいけないものは存在してますが、一般家庭にあるであろうというものに限定させていただきます。
猫が食べてはいけない食べ物
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チョコレート
甘くて美味しいチョコレートですが、猫にとっては非常に害悪です。
チョコレートにはココアに含まれる「テオブロミン」という物質が入っており、猫にはこの「テオブロミン」は分解できません。
猫がチョコレートを食べてしまうと嘔吐や下痢の原因となってしまいます。悪化すると興奮や不整脈、痙攣などの症状が現れます。
痙攣などの症状が出たらすぐに獣医さんへ連れて行って下さい。最悪の場合、命を落とす場合があります。
「テオブロミン」の致死量は、1Kgあたり250~500mg程度とされています。
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甘いお菓子
猫の味覚は、甘いという認識が出来ないと言われています。
しかし人が食べている食品にはバターなどを使用しており、猫が好む場合がありますので注意が必要です。
甘いお菓子は、猫には不要なカロリーになってしまいます。猫が欲しがってもあげないようにして下さい。
特に甘いお菓子は、チョコレートやココアなどが使用されていることが多いので注意が必要です。
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ネギや玉ねぎ類
ネギや玉ねぎ類に入っている「アリルプロピルジスルファイド」物質は猫の赤血球を破壊してしまいます。
これが溶解性貧血の原因になってしまいます。
人が食べている残り物にネギや玉ねぎなどが入っている時は、猫が残り物を舐めてしまわないように注意が必要です。
人の残り物を猫に与える場合は、ネギや玉ねぎ類が入ってない物にして下さい。
ニンニクなどの刺激のある食物も与えないように気をつけてあげて下さい。
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アボガド
アボガド種や葉に含まれる「ペルシン」という物質があります。
この物質は猫が痙攣や呼吸困難などを引き起こす場合があります。
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トマトの葉
トマトの葉に含まれる「トマチン」を猫が摂取してしまうと、腹痛や下痢などの消化器系に影響を及ぼすことがあります。
猫が口にしてしまった場合は、しばらく猫の様子に気をつけてあげて下さい。
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生の豚肉
生の豚肉には「トキソプラズマ寄生虫」の感染源になる場合があります。
感染すると、食欲不振・嘔吐・下痢・血便・発熱・咳・呼吸困難・運動障害・視力障害などの諸症状があらわれます。
「トキソプラズマ寄生虫」は動物はか人間に感染する場合もあります。
猫に豚肉を与える場合は、生肉であげないで必ず加熱調理して与えて下さい。
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レバー
レバーは過剰に摂取してしまうと、ビタミンA過剰症になってしまい場合があります。
ビタミンA過剰症は猫の骨が変形してしまう場合があります。猫にレバーを与える場合は量に注意して与えて下さい。
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鳥や魚の骨
鳥や魚の骨などは、猫の喉や消化器官内に刺さりやすいので注意が必要です。
猫の喉や食道に骨が刺さると、猫に食欲がない・元気がない・ヨダレを垂らす・強い口臭がするなどの症状があります。
猫が欲しがっても与えないようにしましょう。
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スルメやイカ貝類
猫は新鮮な食材が大好きです。それでもスルメやイカ貝類などは猫に与えてはいけません。
生のスルメやイカ貝類には「ビタミンB1」を分解する酵素は多く含まれ、ビタミンB1欠乏症になる可能性があります。
嘔吐や食欲不振などで、歩き時まっすぐ歩けなくなったり・よろけたりの症状のほか、瞳孔が開いたりする場合もあります。
猫がこれらを欲しがっても与えないようにして下さい。
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生卵
猫に生卵を食べさせると、人間でいう「アトピー」のような症状になることがあります。
また皮膚炎や結膜炎などの症状を引き起こす場合もあります。
猫に卵を与える時は、必ず加熱処理をしてから与えて下さい。
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人間用のレトルト食品・お弁当
人間用のレトルト食品は猫に与えてはいけません。人間用のレトルト食品は猫にとっては塩分の高いものばかりです。
あとサバなどのお魚の缶詰も避けたい食品です。
猫が食べてはいけない飲み物
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コーヒー
猫は飲んではいけない物で、身の回りにもっともよくあるものでコーヒーがあげられます。
コーヒーには「カフェイン」が多く含まれ、「カフェイン」は中枢神経に対して強い興奮作用などがあります。
身体の小さな猫が摂取してしまうと、嘔吐や下痢などの症状があります。大量に摂取してしまうと、死に至る場合もあります。
猫の「カフェイン」の致死量は、体重1Kgあたりおよそ150mgになります。
ほんの少しの量ならあまり心配はありませんが、それでもコーヒーなどのカフェイン飲料を猫が舐めてしまった時はしばらくは注意して下さい。
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牛乳
猫の中には、乳糖を分解する酵素「ラクターゼ」を持たない猫がいます。
大丈夫な猫もいますが、人間用の牛乳を与えることで下痢になる場合があります。
仔猫に牛乳を与える時は、仔猫用の牛乳を与えて下さい。その後下痢するようでしたら次からは与えないほうが良いでしょう。
仔猫が下痢してしまうと、脱水症状になり命に関わる場合があります。仔猫に仔猫用の牛乳を与えた後は、しばらく様子に注意して下さい。
保護した仔猫などにミルクを与える場合は、必ず「仔猫用のミルク」を与えるようにして下さい。
「仔猫用のミルク」でも、初めて与えた時はしばらく様子を見て、下痢などの症状がないか確認してから次を与えるようにして下さい。
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アルコール飲料
猫の肝臓は「アルコール」を分解することが出来ません。
内臓などに機能障害を起こす可能性があります。絶対に猫にアルコール飲料は飲ませないようにして下さい。
致死量は体重1Kgあたりアルコール換算で5.5~6.5ccになります。
猫が食べてはいけない植物
猫が食べてはいけない植物も多数存在しています。
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アロエ
アロエが持つ乳液により、腎炎を引き起こすとされています。
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ヒヤシンス
シュウ酸カルシウムが原因で、胃腸障害などを引き起こしとされています。
球根が最も毒性があります。
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紫陽花(アジサイ)
「ヒドランジン」と呼ばれる青酸配糖体を含有していることが分かっており、中毒症状は稀でシアン化物中毒の症状に類似していることがあります。
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百合(ユリ)
猫には特に有毒で、不明な「トキシン」に敏感であることが報告されています。
激しい腎炎が24~48時間以内に中毒症状としてあらわれるとされています。
しかし猫や鳥でこれらの植物の「トキシン」で中毒を起こすかは不明とされています。
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観葉植物
一般的に販売されている観葉植物(ポトス・ヒメカズラなど)にも猫に対して毒性を示すものがあります。
観葉植物は身の回りにある可能性が高いので、特に注意が必要です。
その他の猫が食べては(呑み込んでは)いけない物
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石鹸
酸やアルカリを含む石鹸を摂取すると、嘔吐や下痢を引き起こすとされています。
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鎮痛剤・解熱剤
鎮痛剤や解熱剤に含まれる「アセトアミノフェン」などが原因で、チアニーぜや呼吸困難などを引き起こします。
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風邪薬・花粉症薬・酔い止め・睡眠剤
抗ヒスタミン剤と呼ばれる薬に該当します。ペットにおいて抗ヒスタミン剤中毒の大部分は軽度ですが摂取しないに越した事はありません。
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洗濯・食器用洗剤
洗濯洗剤や食器用洗剤は、洗剤の中でも「陰イオン剤」と呼ばれ毒性があります。
特に自動食器洗い機用の洗剤には高い毒性があり、致死量は0.5g〜2.5g/kgです。
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漂白剤
漂白剤に含まれる次亜鉛素酸ナトリウムに腐食性があり、粘膜や食道組織に作用を及ぼし、一般的には嘔吐を引き起こします。
また次亜鉛素酸ナトリウムの漂白剤はアルカリ性であるため、これに接触した組織はアルカリ火傷を起こします。
ほとんどのペットが「漂白剤」の臭気を帯び、被毛の漂白がみられることがあります。
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アルカリ電池
アルカリ成分は、融解壊死といって体内の組織を壊す作用があります。
アルカリ成分は組織によって中和されるまで深部組織へ浸透するため危険な成分です。
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ゴルフボール・ワインのコルク箔など
鉛はヘモグロビン合成の代謝経路と赤血球成熟分裂を阻害します。赤血球がもろくなり、酸素運搬運動能力の低下につながります。
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タバコ
猫がニコチンを摂取すると、嘔吐・下痢・呼吸促迫などの症状を引き起こすとされています。
そして受動喫煙で、猫も喘息の症状が出る場合があります。
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革製品用メンテナンス剤・靴磨き
アニリン色素はおもちゃ・クレヨンなどにも使われています。猫が摂取すると痙攣・呼吸困難を引き起こします。
※アニリン色素は子供用のワックスクレヨンは無害です。
猫が食べてはいけない物の一覧表
食べてはいけない物 | 症状 | 致死量 |
食品 | チョコレート | 嘔吐・下痢・神経症状など | 250~500mg |
ぶどう・レーズン | 嘔吐・下痢・食欲不振・元気がないなど | 10~32g/kg | |
ネギ類 | 貧血・皮膚炎・喘息発作など | ・玉ねぎ:15~20g/kg
・ニンニク:15~30g/kg |
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ナッツ類 | 不安・筋肉の震え・強直性痙攣など | 2.4g/kg | |
アボガド | 嘔吐・下痢・軟便・呼吸困難など | ||
トマトの葉 | 嘔吐・下痢・軟便・呼吸困難など | ||
ジャガイモの芽 | 散瞳・頻脈・口内乾燥など | ||
野生のキノコ | 抑うつ・運動失調・昏睡など | ||
生の大豆 | 消化不良・下痢など | ||
生のイカ・アサリ | 食欲低下・ヨダレの増加など | ||
生のほうれん草 | 尿路結石など | ||
生の豚肉 | 食欲不振・嘔吐・下痢・血便・発熱・咳・呼吸困難・運動障害・視力障害など | ||
レバー | 骨の変形など | ||
鳥・魚の骨 | 食欲不振・元気がない・ヨダレの増加・強い口臭など | ||
生卵 | 皮膚炎・結膜炎など | ||
ガム | 嘔吐・下痢・ふらつきなど | ||
甘いお菓子 | |||
レトルト食品 | |||
飲料 | コーヒー | 頻脈・呼吸促迫・過度の興奮など | 150mg/kg |
アルコール飲料 | パンティング・急な体温上昇・痙攣など | ・ビール:110ml
・日本酒:14~37ml |
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牛乳 | 下痢など | ||
植物 | アロエ | 腎炎・下痢など | |
ヒヤシンス | 嘔吐・下痢・血便など | ||
アジサイ | 嘔吐・下痢・血便・呼吸促迫など | ||
ユリ | 腎不全など | ||
観葉植物 | 嘔吐・下痢・水泡など | ||
生活用品 | 石鹸 | 嘔吐・下痢など | |
洗濯・食器用洗剤 | 嘔吐・下痢・充血など | ||
漂白剤 | 嘔吐・アルカリ火傷など | ||
ゴルフボール | 痙攣・痴呆・ヒステリーなど | ||
箔 | 痙攣・痴呆・ヒステリーなど | ||
アルカリ電池 | 流涕・口腔内潰瘍・火傷など | ||
タバコ | 嘔吐・下痢・流涕・喘息など | ||
靴磨き | 感情鈍麻・呼吸困難など | ||
鎮痛・解熱剤 | チアノーゼ・呼吸困難・顔面浮腫など | 3.5kgの猫に325mg含有の錠剤の1/2 | |
風邪薬・睡眠薬 | 鎮静・運動失調など |
こちら以外にも猫が食べてはいけない物は多数存在しています。
猫が食べてはいけない物を食べた場合の対処法
危険性のある植物を、猫が口にしてしまった時は、その後の猫の様子をよく観察し下さい。
※特に普段しない行動をするなど。
基本的にはかかりつけの動物病院に連絡できる時間帯は、すぐに獣医さんに相談して下さい。
すぐに獣医さんに相談できない時の対処法としては、食べたものを吐かせて下さい。
吐かせかたは以下の方法を試して下さい。
- すぐに口の中を洗う。
- 猫の口の中を麺棒などで刺激する。
- 猫の下の根元の部分を刺激する。
このように猫の口内を刺激することで、摂取した物を履いてくれる場合があります。
決して吐かないからといって、無理やり吐かすのはやめましょう。
吐かす時の注意点
- 飲み込んだ異物が何か特定できない場合。
- 薬物などによってすでに痙攣などの中毒症状が出ている場合。
- 鳥や魚の骨の場合。※無理やり吐かすことによって、喉や食道に逆に刺さってしまう可能性があります。
緊急時はオキシドールがあればそれを使うのが一番吐かせやすいです。
オキシドールを3~4ml程度(目安として体重1kgあたり1ml)をスポイトのようなものを使って強制的に飲ませます。
少量ずつ口の脇から飲ませる感じです。
オキジドールを飲ませると胃の中で酸素の泡が発生し膨満し気持ち悪くなって吐く・・という状況になります。
15分ほど待っても吐かない場合はもう一度、同じ量を飲ませます。
それで吐かない場合にはあきらめましょう。
オキシドールは体内に入ると酸素となって分解されるため、特に体に害はないとされています。
普段から24時間の動物病院や緊急時に対応してくれる獣医さんを見つけておきましょう。
中毒を引き起こした場合、家庭でできる治療はありません。必ず動物病院で診察を受けてください。その際、獣医さんへ伝える内容は全部で3つです。
①「何を食べたか」
猫にとって毒性のある食品を食べているかどうかの判断ができます。
②「どのくらい食べたか」
猫の体重と食べた量によって、症状がどのレベルなのかが分かります。また、毒性のない食べ物でも過剰摂取することで中毒を引き起こす場合があります。
③「いつ食べたか」
食べてからどのくらい経過しているかによって、症状のレベルが分かります。もし時間が分からなければ、いつまで元気だったか、あるいは元気がないことに気付いたのはいつ頃かを獣医さんに伝えましょう。
これらの情報を出来るだけ細かく、正確に伝えるようにしてください。
猫が食べてはいけない物に関するまとめ
猫に危険な食物を取り上げてみました。これは猫に危険な食物の一部です。他にも沢山猫が食べてしまうといけない食物はあります。
猫の味覚
猫はどちらかというと匂いで食べ物を感知しています。それでも苦味や酸味には猫は敏感です。柑橘類などは猫は嫌いますね。
それと猫は苦いものが大変苦手です。猫に薬を飲ませる時は本当に苦労します。
最も人間と違うことは、猫は糖分の甘味を感じないということです。
猫は肉食動物
肉食動物とは動物性の栄養分しか上手に吸収出来ません。
野菜や葉っぱなど、猫は上手に消化できません。野菜などは苦手な食物の部類に入ります。
猫が野菜などを大量に食べてしまうことで、猫の胃腸の負担になってしまいます。
危険食物が原因で、猫が体調不良や下痢や便秘を起こすこともあります。
これがきっかけで猫が病気になってしまうもあります。
猫のアレルギー
猫にも人間と同じでアレルギーがあります。
人間と同じで血液検査やパッチテストで特定物質(アレルゲン)を知ることができます。
猫の危険な食物を知っておくことは、猫の健康や長生きにも繋がります。
大好きな猫と一緒に長く安心して暮らしてゆきたいですね。